乾燥は食品の保存法の中でも古来から行われている方法でした。乾燥することによって品質変化を防ぎ、長期保存などを目的としてきたのです。近年では、衛生面、作業性を考え、より安全で安心できる加工方法として「乾燥」は、加工食品の中でも確固たる地位を確立しています。そしてその基本は、素材の風味をおいしいまま加工することにあります。
エアードライ(AD)について
「エアードライ」は、原始的でコスト優先の乾燥技術と思われがちですが、素材のシュリンク現象を逆に利用して、カール化や味の濃縮などで思いがけない食感や復元性を加工食品の世界にもたらします。
乾燥方法
熱風を供給し水分をとばすというシンプルな方法です。
スプレードライ(SD)について
「スプレードライ」は、液状化した原料を霧状にし、加熱空気で瞬間的に粉末化する乾燥技術です。熱変性を受けにくいため、特に熱に影響されやすい食品に有効です。乾燥工程が短く、大量生産に威力を発揮し、高品質で、低コストな製品の安定供給が可能です。
乾燥方法
液状化した原料を加熱空気で瞬間的に粉末化することによって風味を生かします。
ドラムドライ(DD)について
「ドラムドライ」は、回転する加熱したドラム上に液状化した原料を薄く塗りつけて、乾燥させる技術です。高粘性原料の乾燥に威力を発揮します。乾燥品はフレーク状になりますが、さらに粉砕して粉末状にすることもできます。同時にロースト風味をつけることも可能です。
乾燥方法
回転する加熱ドラム上に液状又は液状化した原料を薄く塗りつけて、連続的に乾燥させます。
フリーズドライ(FD)について
「フリーズドライ」は、凍結させた原料を真空状態のもと、低温で乾燥させる技術です。素材の色、味、香り、栄養をそこなうことなく乾燥することが可能です。水またはお湯を加えるだけでもとの食品に復元できるという特長を持っています。保存性や簡便性に加えて、機能性の高い乾燥方法です。
乾燥方法
凍結させた原料を真空状態のもと、低温で乾燥させます。